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地震保険、どのように支払われるのか?

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地震保険の保険金が、どのように支払われるか知っていますか?

地震保険の支払われ方を知るために、まずはもっと一般的な保険である自動車保険や火災保険の保険金の支払われ方と比較してみるとよく分かると思います。いえ、むしろ比較しないと理解するのは逆に難しいかもしれません。

自動車保険・火災保険の支払われ方は?

一般的には、自動車保険や火災保険などのいわゆる「物保険(モノホケン)」の場合、保険の対象となっている物の修理代を保険金として受け取ることができます。もしそれが「全損」であるならば、購入時の価額から減価償却分を差し引いた額を受け取ることができます(保険加入時にその「モノ」の価値をあらかじめいくらと協定していた場合は、保険金額全額を受け取ることができます)。

つまり、自動車保険や火災保険の場合、修理の見積もりなどが必要となるわけです。「全損」というのは、保険金額よりも修理代のほうが高い場合を指します。だから全損であっても修理の見積もりが必要となります(ひと目見て明らかに修理代が保険金額を超える場合を除きます)。

地震保険の支払われ方は?

地震保険の場合は、上記のような自動車保険や火災保険とは違う支払い方法となります。まず、修理の見積もりは不要です。ですので、例えば、地震によってテレビが倒れて「画面が割れてしまった!」という場合でもテレビの修理見積もりやテレビの年式や型番などは不要ということです。

では、テレビの修理はどうなるのか?

まず覚えておきたいのは、地震保険で受け取れる保険金は「修理代ではない」ということです。簡単にいうと、建物(または家財)が地震によってどれほど損害を受けたのかを立会調査によって調べ、その割合が3%以上であった場合に保険金を受け取れるというものです。

受け取れる保険金の額はいくら?

保険金の金額(つまり受け取れる金額)は、掛けている保険金額の最低で5%と決まっています。

たとえば、もっとも小さな損害である「一部損(いちぶそん)」となった場合の保険金は、保険金額の5%です。

例を挙げますと、地震保険金額が1000万円で損害が3%の場合、1000万円5%=50万円となり、50万円を受け取れるというわけです。

どれだけの損害で、いくら受け取れるのかは地震保険の約款で公表されています。地震保険の支払われ方は3段階、または4段階しかありません。

3段階の場合:全損・半損・一部損

4段階の場合:全損・大半損・小半損・一部損

201612月までに保険期間が始まった場合は3段階で、20171月以降に保険期間が始まった場合は4段階となります。地震保険は最長でも5年間ですので、この記事を執筆している現時点(2021年7月)で2016年12月までに保険が始まった保険は、2021年12月にはなくなりますので、以降は4段階の基準で査定が行われることになります。

分譲マンションに住んでおり、専有部分の所有者の方は要注意!

分譲マンションの場合、管理組合があります。そしてその管理組合が契約者となって、火災保険や地震保険を契約しています。補書の目的となっているのはマンションの共有部分です。専有部分は、それぞれの所有者が掛けているかと思います。

で、もし、管理組合が加入している地震保険が、上で説明している「一部損」と認定されたとしましょう。その場合、「一部損」という認定は専有部分にも適用されます。つまり、あなたが所有している専有部分(つまり部屋)にひび割れなどの損害が何もなくても「一部損」として保険金を受け取れるということです。これを「一棟認定(いっとうにんてい)」と呼びます。

その場合に受け取れる金額は、あなたが掛けている地震保険金額の5%です(共用部分に掛けている保険金額の5%ではありません)。もしあなたが専有部分に1000万円の地震保険を掛けているとしたら、くどいようですが、その5%である50万円を受け取ることができるということです。

ですので、「自分の部屋は全然損害がないから」と言って保険会社に連絡せずにいると、受け取れるはずの保険金を損してしまう可能性があるということです。十分ご注意ください。

マンションの地震保険って、木造の一軒家に比べると非常に安いので、掛けておくことをオススメします。地域にもよりますので一概には言えませんが、保険料的には木造一軒家と比較すると、ざっくり言うと三分の一以下の保険料で加入することができます。

ちなみに、2022年度から地震保険料は全体としては値下げすることが決まっていますが、茨城、埼玉、徳島、高知の4県は最大で約3割引き上げられることになっていますので、地域によって大きな開きが出てくることでしょう。

地震保険の限度額は?

地震保険は火災保険を加入し、その火災保険に付ける形になります。付けることができる地震保険の保険金額は、最大で建物は5,000万円、家財は1,000万円です。そして、もうひとつ縛りがあります。それは、

加入した火災保険金額の50%まで、ということ。

たとえば、建物の火災保険を2,000万円で掛けた場合、加入できる建物の地震保険は50%の1,000万円までです。これは家財も同じです。

おすすめの地震保険はズバリ!

よく聞かれるのが、「おすすめの地震保険はどこですか?」ということ。

ズバリお答えします。

地震保険にオススメはありません。なぜなら、地震保険は政府と共同で運用しているからです。ですので補償内容はすべて同じです。あえて言うなら、査定を「どれだけ迅速に行なってもらえるか?」ですが、それもその時の被害の大きさや、査定のために確保できる人員などの影響を受けますので(必ず実地調査を行います!)一概には言えないのです。

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