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墓じまいでのトラブル急増中 高額な離檀料の請求も!

最近、墓じまいでお寺とのトラブルが急増しているそうです。中には200万円もの「離檀料(りだんりょう)」を請求されるケースもあるのだとか!?

この記事では、墓じまいの一般的な流れと、実際にどんなトラブルになっているのか? また、墓じまいのトラブルを防ぐには何をしたらよいのかをまとめてみました。

墓じまいの一般的な流れ

墓じまいというのは、現在のお墓を解体・撤去して更地にし、その使用権を墓地の管理者に返還することを指しています。賃貸住宅で、今住んでいる借家から引っ越しして、借りている家を大家さんに明け渡すのとほぼ同じです。

墓じまいの一般的な流れはこのようなものです。

step
1
お墓の管理者(お寺)に意向を伝える

step
2
「閉眼供養」をお寺の住職が行う

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3
石材業者などに依頼しお墓を更地に戻す

そして、離檀料として一般的な金額も10万円〜30万円ほどと言われています。更地に戻したりするのに業者に依頼することになりますから、そこで費用が発生するのはわかります。

ところが最近起きているトラブルというのが、その離檀料を巡ってあまりにも高額な請求がなされているそうなんです。なんと200万円とか!びっくりですよね。

国民生活センターによるとこんな事例も!

たとえば、ある70代の女性

70代女性

高齢になり墓参りに行けなくなったので近くの納骨堂に移したいと相談したところ、250万円を支払うよう言われたんです。そんなにかかるの?

この「離檀料」というものは、特に決まった金額があるわけではなく、お寺や地域によっても差があるそうなんです。そのため、お寺によっては高額な請求をしてくることもあるそうです。が、それにしても250万円というのは高過ぎますよね〜。

離檀料とは?

そもそもこの「離檀料」とはどういうものなのでしょうか?

今あるお墓を撤去し檀家をやめること(離檀)になるためお墓を管理してくれていたお寺に対し感謝を表す”お気持ち”として包むお布施のこと。

 

そもそもが「気持ち」なんですよね。なので強制されるような性質のものではありません。では、法律的な根拠というのはあるのでしょうか。

もし契約時に「墓じまいの際には離檀料として○○円を支払う」というような文言がなければ、支払う義務はないということになります。

お墓に関する法律には「墓地・埋葬に関する法律(いわゆる墓埋法)」という法律がありますが、それはあくまでも「遺骨や遺体を適切に管理するための法律」であって離檀料とは関係がありません。

離檀料(りだんりょう)の支払いを拒否しにくくしている要因

それは、お墓の管理者(お寺)に(お墓にお骨が入っていますという)埋葬証明書(火葬の場合は埋蔵証明書)を記入してもらい、それをお墓のある自治体に提出してもらって初めて、「改葬許可証」を受け取ることができます。

つまり、お寺の了承を得られなければその後の手続きがまったく進まないことになってしまうからなんです。

それでやむなく支払ってしまう・・・ということのようです。

離檀料を払わなければ「改葬許可証は出さない!」は許されるのか?

では、「離檀料を払わなければ改葬許可証は出しません!」というのは許されることなのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。「お金を払わないと証明書を出しません」というのはお寺が勝手に言っていることで、本来許されることではありません。墓埋法はお寺に有利になるように作られた法律ではないからです。

あくまでも「こういう法律があるので払ってください」と悪質で高額な請求を押し付けるお寺があるということです。

 

お寺側の金額を要求する切実な事情

じつは、お寺側も檀家の減少により運営が苦しく寺を存続させるために必要な金額として要求していることが多いと言われています。少子高齢化を考えるとそれもわからなくもありません。

ちなみに「仏教に関する実態把握調査」(全日本仏教会ウェブサイトより)では次のような数字が出ています。

2020年のお布施金額

  • お 盆 例年比 47.6%減
  • お彼岸 例年比 40.6%減

コロナの影響もあるのでしょうか、お寺の経済状況も非常に苦しくなっているということが読み取れます。檀家からのお布施が半額近くにまで減少しているからです。

墓じまいのトラブルを防ぐには

では、どうすれば墓じまいのトラブルを防ぐことができるのでしょうか。

①事前にお寺に相談し事情をきちんと説明する

いきなりやらない。丁寧に話す。感情的にならない。なぜ、墓じまいをするのか、例えば「物理的に遠くに住んでいるのでお墓参りに来れないから移動したいと思います」とか、「高齢の両親に任せるのも大変なので」等。

・言い合いになるとなかなか進まなくなります。お寺の住職も人の子ですから、穏やかにきちんと話をするということがまずは必要ということでしょう。

②それでも折り合いがつかない場合

弁護士など専門家へ相談する(金銭的なトラブルは国民生活センターでもOKです)

③本山へ相談する

・話し合いに応じてくれない、遺骨を返してもらえない、などのケースでは本山(ほんざん)が離檀できるようお寺を指導してくれるケースもある。ですので、いきなり弁護士に依頼して敵対的な関係になるよりは、まずは自分で本山に相談しても良いかもしれません(弁護士に依頼すると、そこでまた費用が発生します)。

本山には「こういう理由でトラブルになっているので、間に入ってもらえませんか?」と相談します。2者間で話がつかないときは、第三者に入ってもらいましょう。

 

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