行政書士

行政書士開業で必要な費用は?自宅兼事務所は可能?

2021年8月31日

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行政書士開業で必要な費用はどれくらいなのでしょうか?

また、自宅兼事務所は可能?

この記事では、これまで17年間、行政書士事務所を運営してきた筆者(私)が自分の経験等も交えながら、行政書士事務所の開業を考えている皆さんが疑問に思う点をまとめてみました。参考になれば幸いです。

関連記事:行政書士事務所はバーチャルオフィスやレンタルオフィスで開業できるのか?

行政書士事務所の開業で必要な費用(登録時)

登録時におよそ25万円~28万円かかります。内訳は下記のようになります。

各都道府県単位会により微妙に異なります。その他、支部会費が必要になるところもあります。

詳細は、ご自身が所属する都道府県単位会(北海道で開業するなら「北海道行政書士会」、東京都で開業するなら「東京都行政書士会」)に確認してください。

登録手数料 25,000円
入会金 200,000円
会費前納(3ヶ月分) 18,000円
斡旋物品 購入物品(事件簿・請求書・領収書・職務上請求書・名刺・看板等)の合計金額
登録免許税(収入印紙) 30,000円(必要のない道府県もあります)
政治連盟会費(3ヶ月分) 3,000円(必要のない道府県もあります)

 

毎月必要になる費用

上記は行政書士会への登録時に必要になる費用ですが、毎月かかる費用があります。

それは「会費」というもので、行政書士の場合は月6,000円です。県によっては支部の会費がかかる場合もあります(金額はまちまちで、支部会費がないところもあります)。この行政書士会費の支払いは3ヶ月ごとの支払い(18,000円ずつ)となります。

ちなみに社会保険労務士は7,000円/月、司法書士は25,000円/月、弁護士は・・・各地域によって異なり12,000円~60,000円まで幅があります。

登録前に必要なもの

各行政書士会で必要になる費用以外で、登録の前に必要になるものは、大きなものでは「事務所経費」があります。これがもっとも大きなものではないでしょうか。

事務所

事務所は、最初はなるべく経費を削減したほうがよいかと思います(預貯金がたくさんあって「そんなのは気にしない」という方はその必要はありません)。

独身者であれば自宅兼事務所がもっとも経費がかからず、かつ家賃をいくらか(50%程度も可能)は経費にできます。その場合でも玄関から入って、居住空間を通らずに事務所スペースに行ける状態でなければなりません。

たとえば、こんなカンジです。

行政書士事務所登録で自宅を登録できるか

上の間取りのように玄関から入ってすぐの部屋を事務所にするならOKです。

でも、入ってすぐの部屋が居住空間で、そこを通ってから事務所に行く(上の間取りで言うと「居住空間」になっている部屋を事務所にする)のはNGです。

結婚してご家族も同居している自宅を事務所にする場合は「玄関から入って居間などの居住空間を通らずに出入りできるような部屋を事務所にしなければならない」等の制約があります。

たとえば、下のようなマンションの間取りであれば、すべての部屋が独立しているので、どの部屋を事務所にしてもOKです。

 

ちなみに私の事務所はワンルームの賃貸マンションを借りています。賃料は月20,000円。最寄り駅からは歩いて5分で、100m以内のところにコインパーキングもあります。

自宅とは別に借りる場合は光熱費やネット代が必須ですので、その分経費も増えます

保険料

これには「行政書士賠償責任保険」・事務所の「火災保険」が含まれます。行政書士賠償責任保険は入っておくことをオススメします。入会すると案内があると思いますが、補償内容は下記の通りです。

この保険は、日本行政書士会連合会を保険契約者とする団体契約です。

許認可申請の遅延など、行政書士としての業務上のミス等により依頼者に損害を与えた場合に、行政書士が負担する損害賠償責任を補償する保険です。
賠償事故の内容も多様化しています。

私の事務所は補助者が一人いるのですが、開業当初は補助者もいないと思いますので、最も安い補償のタイプで年間5,000円になります。

これに「情報漏えい対応補償」をオプションで付けると年間18,000円です。

電話

電話に関しては、携帯電話でも登録は可能ですが、もしインターネット回線を引いているのであれば「ひかり電話」を月に500円程度で利用できますので、仕事用として契約をしたほうがよいかもしれません。

こちらの記事「【ひかり電話】自宅の電話・固定電話を無料で携帯に転送する裏技」に書きましたが、電話に関してはいろいろと方法がありますのでご自身に合った方法が何か検討してみると良いと思います。

携帯電話をお客さんに伝えるのであれば、話し放題(かけ放題)が良いです。「10分かけ放題」の10分なんてすぐに越えてしまいますので完全かけ放題をオススメします。ただ、これも様子を見てでいいと思います。開業当初は電話なんてそんなにかかってきませんので笑

ホームページ

これは非常に重要だと思います。

ホームページは、ホームページから集客したいのか、それとも単なる事務所案内程度でよいのかによって、どんなサイトを作るのかが大きく変わってくるからです。

この部分の解説だけで丸々一つのサイトができてしまうくらい重要です。後日こちらも記事にまとめてみたいと思っています。

業者にホームページ(ウェブサイト)を作ってもらうならかなりの費用がかかります。単なる事務所案内程度のサイトであれば、自分で作ったほうがよいと思います(私も開業当社から自分で作っています)。

自分ではウェブサイト制作など苦手で絶対に無理!ということであれば、知人・友人でそういうのが好きな人にバイトで作ってもらうというのもいいですね。

広告費

集客するために広告(ちらし・電話帳・Google広告・ヤフー広告等)をどの程度使うのかによりますが、その媒体により費用が毎月かかってくる場合があります。

広告費をかけずに集客するのであれば、マーケティングを学び、自分でツイッターやインスタグラム等を上手に活用する必要があります。ツイッターやインスタグラムから集客するのは、どんな業務をやるのか?客層は?などを考えて、マッチするものじゃないとなかなか難しいかもしれません。

私が実際にやってみたかんじでは、Google広告・Yahoo!広告ともにクリック単価が上がっており、個人事務所では穴場キーワードやニッチな業務じゃないと競争が激しくて大幅な赤字になってしまいますし、精神衛生上あまり好ましくありません(ドキドキの連続です)。

Google広告・Yahoo!広告は10年前のように月30,000円程度の広告費ではなかなか厳しいと言わざるを得ません。ウェブの広告費はおそらくこれからますます高騰化していくと思います。

いずれにしても、マーケティングは学んでおいたほうがよいと思います。

私のオススメは得意分野を持つことです。弁護士や司法書士も大勢参入している相続や遺言をウェブから取るのはほぼ無理と考えたほうがよいと思います。よほど他と差別化できるのであれば別です(例えば、「役所の戸籍住民課で働いていた」など)。

まとめ

行政書士事務所の登録時には25万円~28万円、賠償責任保険も入れると30万円は見ておいたほうが良いでしょう。

毎月の費用は会費として6,000円(3ヶ月ごとの支払い=18,000円)がかかります。

事務所は可能なら自宅兼がコスト的には安上がりですが、ワンルームのアパートやマンション、事務所を借りるケースも多いかもしれません。

行政書士事務所の開業は、単に資格を取ったから開業するということではなく「経営」として考えなければなりません。そうじゃないと3年も持たずに「廃業」してしまうことになりかねません。

でも、開業のことを考えるのは楽しいですよね。そんなあなたを私も応援しています。

-行政書士